2019/04/15LROニュース(6)

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  • 2019.04.16 UP
    2019/04/15LROニュース(6)
    • 【1】 オランダで自律運航船の試験が実施される
      • 【1】 オランダでは、2017年から関連業界が共同で自律運航船の開発事業に取り組んできているが、3月19日から20日にかけて、オランダのデン・ヘルダーの沖合5カイリの北海上で衝突回避装置を装備したオフショアサービス船を実験船として、11のシナリオ別に、この実験に参加したWillem Barentsz海事研究所の訓練船とオランダ沿岸警備隊の緊急曳船艇とどのように連携を取りながら安全運航できるか実験を行った。実験はRobosys Automation社が開発した自律運航システムを実験船の自動運航・危機管理システムに接続して行われ、近くを運航した訓練船等との衝突を安全に回避できたものの、より効率的により交通が輻輳した海域で、他船との衝突を安全に回避するためには、自律運航システムのさらなる改良が必要であることが判明した。
      • 原文 Apr. 4, 2019, Insurance Marine News(長谷部正道)
    • 【2】 ICS・ECSA・ASAが新たな共同覚書を締結
      • 【2】 国際海運会議所(International Chamber of Shipping: ICS)・アジア船主協会(Asian Shipowner’s Association: ASA)・欧州船主協会(European community Shipowner’s Association: ECSA)の3海運団体は、併せて世界で現在運航されている船腹量の9割以上のシェアを持つが、4月8日、シンガポールで新たな共同覚書を締結し、包括的な協力関係の強化に合意した。ICS会長は、外航海運の効率性を損なう地域的・一方的な規制に反対し、世界共通の海運に対する規制枠組みを支援するため世界の船主協会が協力していく必要を確認した。ASAの会長は、アジアの船主が世界海運に占める比重は増しているにもかかわらず、世界的な発言力が依然として低いとしたうえで、アジア地域以外の船主がアジア地域における規制動向に注意を払うのは重要であると発言した。ECSAの会長は、3団体が連携することによって、IMOや欧州委員会との交渉において、船主の利益を擁護できると指摘した。
      • 原文 Apr. 8, 2019, ICS(長谷部正道)
    • 【3】 米国科学アカデミーが油分散剤の環境への影響を分析
      • 【3】 2010年にメキシコ湾でDeepwater Horizon(DH)事故が発生した際に、5億1800万トンの原油が海底から流出したばかりでなく、油濁損害を抑えるために700万リットルの油分散剤も人為的にメキシコ湾にまかれたが、原油自体が環境に与える損害よりも分散剤が海洋環境に与える悪影響の方が大きいのではないかという疑問が提起されていた。こうした懸念について調査研究していた米国科学アカデミー(National Academy of Science)は4月5日見解を発表し、分散剤による環境への悪影響が、漏出した油自体の悪影響を上回るためには、分散剤の海中濃度が極めて高い水準に達する必要があり、分散剤を直接注入した油井のごく周辺を除き、DH事故で使用された分散剤の濃度は環境に悪影響を与えるような濃度よりはるかに低かったと結論付けた。油濁処理作業に当たった一部の作業員が咳などの呼吸器系の後遺症を発症したことについても、当該後遺症が分散剤によるものなのか原油自体から発生した有害な気体によるものなのか因果関係が明らかでないとして、分散剤による人体への影響についても認定をさけた
      • 原文 Apr. 5, 2019, Science(長谷部正道)
    • 【4】 IMB第1四半期海賊報告書
      • 【4】国際商業会議所国際海事局(ICC-IMB)が取り纏めた、2019年第1四半期における海賊・武装強盗の発生状況によれば、今期にIMBに報告された世界の海賊・武装強盗事件は38件で、昨年同期から28件減少している。内訳は船舶侵入27件、銃撃7件、襲撃未遂4件で、1994年以来初めて乗っ取り事件が0件であった。海賊・武装強盗事件が最も多発しているのはギニア湾地域であり、22件の海賊・武装強盗事件が報告されるとともに、21人の船員が誘拐されている。海賊等の多発地域であるナイジェリアについては、今期の海賊・武装強盗事件は14件で、昨年同期の22件から減少を見せているが、この要因について、ナイジェリア海軍による取締強化にあるとIMBは分析している。
      • 原文 Apr. 5, 2018. IMB(武智敬司)
    • 【5】 欧州議会:船員の訓練・資格証明の相互認証制度に関する指令の改善について
      • 【5】4月4日、欧州交通労連(European Transport Worker’s Federation: EYWF)は、船員の訓練・資格証明の相互認証制度に関する既存の指令(2008/106/EC)の改善案について、欧州議会で投票が行われたことを評価すると声明を発表した。ETWFは改善案において、特に第3国の船員の訓練・資格証明制度の相互承認・評価・再評価の運用の効率化・透明化を進めようとしている点を評価している。改正案が承認されれば、相互承認のために第3国の制度を評価する手続は加盟国から申請があれば従来のように自動的に開始されるのではなく、第3国の制度の相互認証を求めるEU加盟国に対して、船長や船舶職員が当該第3国によって雇用される予定であることを申告させ、かつ海上安全の確保と船員の労働条件や船員の居住環境を改善するために、当該第3国がIMOのSTCW条約だけでなくILOの海上労働条約(Maritime Labor Convention 2006)の規定を遵守していることの保証をすることを求めるなど、欧州委員会がいくつかの条件を満たしていることを確認してはじめて、第3国の制度の評価が開始されることになることを評価している。
      • 原文 Apr. 4, 2019, ETF(長谷部正道)
    • 【6】 合意なきEU離脱:政府が契約した緊急輸送フェリー輸送サービスが始動
      • 【6】昨年12月末、英国運輸省(Department for Transport: DfT)は合意なきEU離脱における税関検査の混乱防止策として、フェリー3社と緊急輸送用の追加運航の契約を締結した。しかし、EU離脱延期はこの契約には影響されず、フェリー3社のうちの1社であるBrittany Ferries は、当初の予定通り3月29日よりポーツマス=シェルブール・プリマス=ロスコフの3航路について週間20便のフェリーを運航する。未使用のスペースはオープンマーケットにて販売が可能であり、DfTはフェリー会社が転売してくれることを期待するが、フェリー会社にとっては再販売のインセンティブはない。もし、販売できなければ、DfTはBrittany Ferriesに支払った£4660万ポンドとDFDSに支払った4140万ポンドに対して責任が生じ、国民の税金が戻ってくる可能性は少ない。
      • 原文 Apr. 9, 2019, The Load Star(田中亜季)
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