2019/03/20LROニュース(6)

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  • 2019.03.22 UP
    2019/03/20LROニュース(6)
    • 【1】IEAが今後の船舶燃料の需要予測を発表
      • 【1】国際エネルギー機関(International Energy Agency: IEA)は、2020年規制に関する今後の船舶燃料の需要予想を発表した。概要は以下のとおり。①2020年には、マリンガスオイル(MGO)が1.98mb/d(百万バレル/日)と最も主要な選択肢となり、現在最も使用されている高硫黄燃料(High Sulphur Fuel Oil: HSFO)は1.39mb/dに落ち込む。低硫黄燃料 (Very Low Sulphur Fuel Oil: VLFSO)の需要は1.01mb/dとなる。②2024年には、VLFSOとMGOの需要量がほぼ横並びになる。③2020年におけるHSFOの需要については、スクラバー搭載船から0.68mb/dが見込まれるとともに、高価なMGOやVLFSOを使用しない規制違反船や、VLFSOの供給不足を理由にHSFOを使用する船舶から0.71mb/dの需要が見込まれる。④規制適合開始時は規制違反も存在するが長くは続かず、HSFOの使用は、2021年に0.30mb/d、2022年に0.11mb/d、2024年に0.06mb/dまで落ち込む。⑤スクラバーに関しては、2020年末に4000基、2024年末までに5200基が導入される。
      • 原文 Mar. 12, 2019, Ship & Bunker(澤井由紀)
    • 【2】英国海上風力発電:コスト面で60%の国内調達用件の達成が厳しい
      • 【2】英国で海上風力発電施設を建設する際には、原則として英国内の企業から60%以上を調達することが求められているが、一方でエネルギーの平準化コスト(Levelized Cost of Energy: LCOE)を下げなくてはならず、英国の地元企業の国際的な価格競争力が必ずしも高くない中で、海上風力発電事業者にとってローカルコンテント要件の達成は容易ではない。なお、3月7日に英国政府は官民連携の「海上風力発電分野における合意(Offshore Wind Sector Deal: OWSD)」を発表し、2030年までに海上風力発電能力を合計で30GWまでに引き上げ、英国国内の電力需要の1/3を海上風力発電で賄うことを計画しており、この結果海上風力発電事業で雇用される労働者数も現在の7200名から2030年までに2万7千人まで増加することが見込まれている。
      • 原文 Mar. 11, 2019, Offshore Wind Biz(長谷部正道)
    • 【3】DNV-GLが情報プラットフォームを利用した遠隔検査を本格的に開始
      • 【3】3月11日、DNV-GLは同社が船級証明を行った全船舶について、Veracity情報プラットフォームを利用して、遠隔で一定の検査を行うことが可能となったと発表した。この結果、同社のサーベイヤーがわざわざ船舶まで出向かなくてもオンライン接続やビデオのストリーミング技術を活用して、遠隔検査専門のサーベイヤーが世界中どこにいる船舶に対してもオンラインで送られてくる文書・画像等を活用して、必要な支援をいつでも効率的に行うことが可能となった。またサーベイヤーの旅費が不要となることで、検査のコストを引き下げ、検査料金の引き下げも可能となる。同社は2017年から試行事業として1千回以上の遠隔検査を同社の海事運用センター(Maritime Operational Centre: MOC)から既に実施してきた。定期検査の間の臨時検査、文書を基に行える検査、通常運転中のシステムの試験・確認、年次検査とともに行われない検査などが遠隔検査の対象となる。
      • 原文 Mar. 11, 2019, DNV-GL(長谷部正道)
    • 【4】欧州議会でサイバーセキュリティ法が承認
      • 【4】EU域内で販売される機器・サービスなどをサイバーセキュリティの観点から認証するためのサイバーセキュリティ法(EU Cybersecurity Act)が、3月12日欧州議会で圧倒的多数で採択された。また同時にEU域内における中国の増大する技術的な存在感に基づくサイバーセキュリティ上の脅威に対して、EUレベルで共通の対策をとることを求める決議も同時に採択された。特に5G関連機器の開発に中国企業がかかわることによって、中国企業や中国政府がEU内の通信情報や個人情報に密かにアクセスすることを企んでいる可能性について欧州議会は重大な懸念を示した。さらに、EU域外国の事業者が、外国政府によって、極めてあいまいな国家安全保障上の要請に基づき、当該事業者が得た情報を外国政府に開示することを強要される可能性について欧州議会は重大な関心を示し、特に中国が同様な国内法に基づき企業に対し情報の開示を求めていることに対して、多くの国が既に安全保障上の評価を行い、中国企業の参入を禁止していることを確認した。
      • 原文 Mar. 12, 2019, 欧州議会(長谷部正道)
    • 【5】GESMAP: 海洋に対する地球工学上の新たな技術に対し慎重な対応を求める
      • 【5】国連機関に対して、海洋環境保護に関する科学的な側面について助言することを目的とする「海洋環境保護の科学的側面に関する専門家共同グループ (Joint Group of Experts on the Scientific aspects on marine Environmental protection: GESMAP)」は3月12日報告書を発表して、海洋に吸収される二酸化炭素の量を増やすために海に鉄分や他の栄養素を人工的に加えたり、海洋の温暖化を緩和するために海面に泡を作って太陽光の反射率を人為的に上げるなど人為的で大規模な環境操作を行うための地球工学上の新たな技術を開発・実施するにあたっては、新技術の科学的な評価を行い、当該研究を管理する仕組みを作ることが肝要であると提言し、政府機関などの政策立案者等が考慮すべき問題点を明らかにした。報告書は27の新技術を取り上げ、中でも8つの事例について詳細な検討を行っている。特に鉄分による海洋の富栄養化については、廃棄物の海洋投棄を規制するロンドン条約・議定書によって既に規制されており、正当な科学的な研究目的の場合を除いて、海洋投棄が禁じられており、「海洋の富栄養化に関する科学研究に対する評価方法の枠組み(Assessment Framework for Scientific research Involving Ocean Fertilization: Resolution LC-LP.2(2010))」が作成され、加盟国が海洋富栄養化に関する研究を評価する方法が定められている。
      • 原文 Mar. 12, 2019, GESAMP(長谷部正道)
    • 【6】海上自衛隊が尖閣防衛のために新たに12隻の哨戒艦を建造へ
      • 【6】海上自衛隊は、2020年度に尖閣諸島周辺の警戒監視を担う新型の哨戒艦の建造に着手することを決めた。新型哨戒艦は高い偵察・監視能力を有し、現在尖閣諸島周辺で警戒監視に当たっている護衛艦に代わってその任務に当たる。日本政府は、2020年度に最初の3隻の建造を開始し、10年以内に12隻を就役させる計画である。新型哨戒艦は1300トンクラスの乗員30名で、海上自衛隊が現在運用している240トンクラスの「はやぶさ」型ミサイル哨戒艇と比較し大型化する。また東シナ海で中国海軍の活動を監視するため、「はやぶさ」型よりも先進的な警戒監視能力を持つと見られている。
      • 原文 Mar. 13, 2019, Asia Times(武智敬司)
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