2019/03/07LROニュース(6)

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  • 2019.03.08 UP
    2019/03/07LROニュース(6)
    • 【1】ギリシャ船主が政府の財政支援のため7500万ユーロの支払いに合意
      • 【1】海運は観光と並んでギリシャの基幹産業であり、ギリシャ政府は長年にわたり海運優遇税制を維持してきたが、左派のツィプラス首相が2015年に首相に選出された際に海運優遇税制の廃止を表明したが、まだ廃止は実現されてない。一方で、ギリシャ船主は2014年から2018年まで、財政支援のためギリシャ政府に自主的な貢献をする合意をしてきたが、2月27日、ギリシャ船主が政府に対して、配当金の10%にあたる年間7500万ユーロ以上の支払いを行うことで新たに合意した。ギリシャ船主はEU全体の船舶の約半数を保有しているが、政府が海運業界への課税を強化するなら、海外への移転を後押しすることになろうと警告している。
      • 原文 Feb. 27, 2019, Reuters(長谷部正道)
    • 【2】北極海における重油燃料使用・輸送の禁止:経済的影響事例追加調査
      • 【2】CE Delftは2018年にIMOの依頼を受けて、北極海における重油燃料の使用・輸送の禁止を実施した場合の、経済的なコストと利点について調査を行ったが、このほど補完的な調査の結果を発表したところその概要は以下のとおり。①補完的な試算はロシア領北極海を対象とし、より具体的にはヴァランディ港の輸出ターミナルから、コラ湾のムルマンスク近郊までシャトルタンカーが原油を輸送することを前提に、2020年Sox規制強化対策として、タンカーがLNGと電気を動力とするように換装される場合、低硫黄分規制適合重油を使用する場合、スクラバーを利用して重油を燃料とする場合の3ケースに分けて試算を行った。②試算は、2021年から北極海において重油燃料が禁止されることを前提に、Sox2020年規制が既に適用された後の、2021年の予想燃料価格を前提とした。LNG燃料にすでに船舶が換装されている場合には、重油燃料の使用が禁止されても当然追加コストはゼロで、低硫黄分規制適合重油を使用していた場合は、規制適合重油と蒸留油との価格差の分として、約6%燃料コストが上がり、重油燃料とスクラバーで対応していた場合は、重油と蒸留油との価格差の分として、約50%燃料コストが上がることが分かった。しかし、これらのコスト上昇分は輸送される貨物としての原油の価格と比べれば、いずれも0.2%以下で、経済的に大きな影響でないことが判明した。
      • 原文 Feb., 2019, CE Delft(長谷部正道)
    • 【3】北極海に面する米・加国境地帯で増す露・中の脅威
      • 【3】米北方軍と北米航空宇宙防衛司令部の司令官を兼任する米空軍大将は2月26日の上院軍事委員会において、アラスカと加の国境地帯付近で露中は強固な足掛かりを構築しており、米国の防衛線としてこの地域の戦略的価値が高まっていると述べた。アラスカでは露軍機に対するスクランブルが多発している。2017年6月に当時のアラスカ州兵副司令官は会議において、ロシアは北極圏に多数の航空基地を新設し、16の大水深港や戦術航空戦力、専用訓練施設を有し、空挺部隊や電子戦部隊を駐屯させて戦力を強化していると明らかにしている。北極海での海運や科学調査、軍事作戦に必要な砕氷船についても、実質的に米は老朽化した1隻しか有しない一方、露は約40隻を有しており、更に原子力推進船を含む14隻を建造中である。一方中国は、米・露・加のような北極海の資源に対する領有権を有する国ではないにも拘らず、自国を「近北極国家」と位置づけ、2013年には北極評議会のオブザーバーとなり、2016年には国産の原子力砕氷船の建造を開始するなど、北極への足掛かりを拡大している。
      • 原文 Feb. 28, 2019, Military Times(武智敬司)
    • 【4】英国合意なき離脱: 貨物の輸送遅延が生じた場合の運送人の責任を制限する方法
      • 【4】英国がEUから合意なき離脱をした場合、輸出入通関検査による輸送遅延から生じる損害賠償請求を荷送人が運送人やフォワーダーを相手に提起することが予想されるが、運送人がこうした賠償責任を制限あるいは免れる方法について以下に検討する。①まず通関手続の遅延が予測不能で回避することができなかったとして、国際道路物品運送条約(Convention on the Contract for the International Carriage of Goods by Road: CMR)第17条2項の免責規定を援用する可能性だが、通関手続の遅延が発生することは十分事前に予測可能だったとされる可能性が高い。②次に、運送人が同条約第23 条5項に基づき責任制限をできるかだが、運送の遅延から発生した工場のラインの停止などの経済的損害について同条約29条に基づき荷送人が輸送人に損害賠償請求をした場合には、運送人が未必の故意(dolus eventualis)を含む故意(willful misconduct)があったと認定された場合には運送人は責任制限できない。③この場合、運送人は荷送人も輸送の遅延の可能性を認識できたとして、寄与過失(contributory negligence)を援用して、自己の賠償責任を減殺することを検討するしかない。④結局のところ、英=欧州間の輸送契約を結ぶにあたっては、運送人は契約締結時に、通関手続きの遅延が発生し、当該遅延時間も予測がつかないこと荷主に対して十分説明し、同条約14条に基づき、輸送人の賠償責任を減殺するためにあらかじめ荷主から必要な指示を出してもらうように荷送人に要求すべきである。
      • 原文 Feb. 27, 2019, Lexology(澤井由紀)
    • 【5】中国の純国産空母が5回目の海上試験に出航
      • 【5】中国海軍2隻目にして最初の国産空母である「001A」が、5回目となる海上試験のため2月27日に大連の造船所を出港した。インターネットに投稿された写真によれば、「001A」の飛行甲板にはガイドラインと滑り止めが塗装されており、今回の海上試験は艦載機の運用試験が中心との見方がある。匿名の軍事専門家も、「001A」は航空電子機器やレーダー、通信システムの試験は既に終了しており、今回の試験は艦載機の離着艦が中心となると指摘している。一方、大連で整備を行っていた空母「遼寧」が「001A」に先立って出港するとともに、海事当局によって大連沖の黄海に軍事訓練海域が設定されたことから、2隻の空母は今年4月に予定されている中国海軍創設70周年の記念パレードに向けた訓練を行うのではないかとの推測もある。
      • 原文 Feb. 28, 2019, Global Security(武智敬司)
    • 【6】海水温の上昇により世界の漁獲高に悪影響
      • 【6】長年にわたる海水温の上昇で、漁業の生産性が過去80年間に15%から35%減少した海域がある一方で、海水温の上昇により多くの魚が取れるようになった海域もあるが、世界全体でみると海水温の上昇により、過去と比べて持続可能な漁業ができなくなってきており、世界的な気候変動が進むと漁業への影響はさらに悪化する可能性がある。きちんと漁業資源を管理して持続可能な漁業を行っているところでは、多くの魚の遺伝子を保存できているので、こうした海水温の上昇に対する抵抗力は相対的に強いが、過剰漁獲を行っているところでは、結果として多くの魚の遺伝子が失われているので、海水温の上昇の悪影響を大きく受けやすくなる。魚類は冷血動物なので、周りの海水温が上がれば体温が上がり、食物の消化に必要な酵素などの働きが悪くなり、体の成長や生殖活動を阻害する。また海水温が上がると、海水中の酸素濃度も下がるので、これも魚にストレスを与える要因となる。
      • 原文 Feb. 28, 2019, Science(長谷部正道)
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