2019/02/13LROニュース(6)

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  • 2019.02.14 UP
    2019/02/13LROニュース(6)
    • 【1】バルト海・北海・英仏海峡排出規制海域におけるNOx排出規制強化について
      • 【1】世間の大国の関心が2020年のSOx規制に注がれている半面で、2021年からバルト海・北海・英仏海峡の排出規制海域においてNOxの排出可能量が80%削減されることにはまだ多くの関心が注がれていない。但し、この規制強化は2021年1月1日以降に建造される新造船にのみ適用されるので、既存船あるいは2021年までに新造される船舶には適用されない。2021年以降に建造される新造船についてはいわゆるTier IIIのNOx排出削減能力を持つ機関の搭載が求められるが、技術的には選択的触媒還元(Selective Catalytic Reduction: SCR)脱硝装置やスクラバーと組み合わせた排気循環(Exhaust Gas Recirculation: EGR)装置の採用によって、既存の内燃機関をTier IIIのレベルに引き上げることが可能である。またLNGを燃料として使用すれば、NOxを85%、GHGを25%、SOxをほぼ100%削減することが可能で、多くの海運会社が既にLNG動力船に投資を行い、LNGを船舶に供給する体制もバルト海沿岸では急速に整備されつつある。バルト海・北海排気規制海域はSOx規制においても世界の先駆け的な役割を果たしたが、IMOでは2023年までに新たなGHG削減策を打ち出すこととなっており、その一環としてNOx排出規制が全世界に拡大されることも考えられることから、バルト海・北海における2021年NOx規制の実績は貴重な経験を世界にもたらすことになる。
      • 原文 Feb., 2019, HFW(長谷部正道)
    • 【2】衝突事故を引き金にマレーシアとシンガポール間の領海紛争が激化
      • 【2】2月9日にギリシャ籍ばら積み船とマレーシア公船が衝突する事故が発生したことで、シンガポールとマレーシアの領海紛争が再燃している。今回の領海紛争は、2018年10月25日にマレーシア政府がジョホール・バル港の港域をシンガポールのトゥアス港寄りに拡大することを発表したことに端を発しており、衝突したマレーシア公船は同年12月からこの海域に配備されていたとされている。これに対抗してシンガポールはマレーシア公船がシンガポールの領海を侵犯していると非難するとともに、トゥアス港港域の拡大を12月6日に発表していた。シンガポール外務省は本衝突事故はシンガポール領海内で発生したものであり、マレーシア公船の配備は航海の安全を妨げるものとして撤退を要求するとともに、マレーシアが公船配備を続ける場合、それによって生じるあらゆる不都合な状況はマレーシアの責任であると強く非難している。シンガポール当局は、本衝突事故による負傷者や油の流出は発生しておらず、ばら積み船の損害も軽微であったため、ばら積み船は次港のタンジュン・ペラパス港に向け航海したとしているが、マレーシア外務省によれば捜査のためばら積み船を拘束しているとしている。
      • 原文 Feb. 11, 2019, Seatrade Maritime News(武智敬司)
    • 【3】インドネシア:国内保険事業者の使用強制で石炭輸出に大幅な遅れ
      • 【3】インドネシアは世界で最大の一般炭の輸出国で、月間2500万トンから3000万トンを、主としてインド・中国・日本・韓国の発電所向けに輸出している。2018年8月に公布され、2月1日から施行された新たな規制では、インドネシアからの石炭とパーム油の輸出にあたり、必要な保険を国内の保険事業者から購入しなくてはならず、さらに2020年5月からは、インドネシアの海運会社を使用しなくてはいけなくなった。同国の主要石炭産出地であるカリマンタン島では、荷主がインドネシア国内の保険事業者を手配していなかったり、手配してあった場合でも、当局や保険事業者が登録手続きを迅速に行っていないため、例えば東カリマンタンの主要石炭積み出し港であるサマリンダ港の港外にはすでに20数隻の大型ばら積み船が石炭の船積を待っており、同様な状況は、南カリマンタンのTaboneo港・Bunati港でも発生している。これらの船舶の用船料は滞船している間も日割りで上昇していくので数週間滞船すれば用船料が大幅に上昇することとなり、今後同国産石炭価格の上昇要因となる。インドネシアからの石炭輸出の大部分はFOB建てなので、保険会社を石炭輸入事業者が選定しなくてはならないので、国営石炭採掘会社は取引先企業に国内の保険事業者を斡旋している。
      • 原文 Jan. 31, 2019, Reuters(長谷部正道)
    • 【4】国際海事保険連合:2020年規制適合油の安全性を燃料供給事業者が担保すべき
      • 【4】2月5日、国際海事保険連合(International Union of Marine Insurance: IUMI)の政策フォーラム委員会の委員長は、現状では2020年規制適合燃料油の安全性のリスクをすべて船主側が負っており海上保険業界として受け入れられないと表明した。石油精製事業者は適正なブレンド油が提供されることを担保すべきで、そのためには規制適合油に関するISOの基準とガイダンスが可及的速やかに作成されるべきである。適合油が船舶に給油される前に、安全性の検査が行われるべきで、燃料油が供給される際に現状では船主が燃料油の安全性検査を行うが、その検査結果が出る前に安全でないブレンド油が使用され、事故が発生したケースは最大で1000件に上る。多くの事故は免責範囲内の小さな事故なので、保険業界に保険金の請求がなされないが、いつ莫大な被害が発生するような重大事故が発生してもおかしくない。ISOの統一基準がない状況では、複数の製油事業者が供給する規制適合油の間に相互互換性がない、つまり混ぜて使用できないという問題が発生する。IMOはこの問題に気付いて安全強化対策の検討を始めたが、結論が出るのは2021年が予定されており、2020年規制開始時に間に合わない。
      • 原文 Feb. 8, 2019, Insurance Marine News(長谷部正道)
    • 【5】合意なきEU離脱:英政府がSeaborne Freight社との緊急用船契約を破棄
      • 【5】昨年12月に交わされた、政府と一隻のフェリーも所有しないSeaborne Freight社との1400万ポンドでの契約は、野党政治家や船員組合から大きな批判を浴びたことは記憶に新しいが、運輸省は9日、Seaborne Freight社の後ろだてであるアイルランドのArklow Shipping社が取引から手を引くことを考慮し、Seaborne Freight社が契約履行能力を失ったと判断して同社との緊急フェリー用船契約の解約を決定したと発表した。政府は合意なき離脱の場合を見越し、ラムズゲート港の利用を含む、追加の貨物輸送能力を確保するために多数の企業と交渉中であり、また税金は一切Seaborne社に支払われていないと付け加えている。英国政府は緊急フェリーを提供するために、今回契約解約となったSeaborne Freight社の他に、すでに実績のある海運会社であるフランスのブルターニュフェリー、デンマークのDFDS グループと、3社合計で1億ポンド以上の契約を結んでいた。本件において政府は、Seaborne社に対して適切な事前審査を行ったと強調している。
      • 原文 Feb. 9, 2019, Reuters(澤井由紀)
    • 【6】国際海運会議所理事会:2020年規制・GHG削減等当面の課題について意見表明
      • 【6】2月の初めに国際海運会議所(International Chamber of Shipping: ICS)はロンドンで定例の理事会を開催し、2020年規制など当面の海運業界にとっての課題について立場を取りまとめ、理事会議長が発表したところその概要は以下のとおり。①Sox2020年規制強化に関してはIMOに対し、規制適合燃料油の安全性の確保と不定期船に対する世界の小規模港湾における規制適合燃料油の供給確保問題について検討を進めるよう申し入れていたが、5月のMEPC74でこの問題に決着をつけるよう改めて求める。②GHG削減の短期的な対策としては、エネルギー効率設計指標(Energy Efficiency Design Index: EEDI)の強化と船舶エネルギー効率管理計画(Ship Energy Efficiency Management Plan: SEEMP)の履行に関する外部の強制的監査制度の導入を業界としてIMOに提案することが理事会で了承された。③STCW条約に基づく船員の訓練・資格証明に関する基準は1995年以来抜本的に見直されておらず、船舶の自動運航化を見据えた21世紀のニーズに合致した見直しを行うようIMOに強く働きかける。④1月末の国連安保理でも取り上げられたように、ギニア湾における海賊による襲撃件数が急増していることに深い懸念を表明する。
      • 原文 Feb. 11, 2019, ICS(長谷部正道)
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