2019/01/11LROニュース(6)

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  • 2019.01.15 UP
    2019/01/11LROニュース(6)
    • 【1】 BIMCOが2020年規制強化に対応する新たな用船契約モデル条項を発表
      • 【1】12月10日、ボルチック国際海運協議会(The Baltic and International Maritime Council: BIMCO)は、2020年の燃料油中の硫黄含有分の規制強化を遵守するための用船者と船主の責任関係を用船契約の中で明らかにするため、必要な2つのモデル条項を発表した。 1番目の改正点は期間用船契約に関する規定で、船主の法令順守責任の一環として、2020年規制の順守義務も規定される一方、用船者は用船者自身ばかりでなく燃料供給事業者等の関係者を含んで燃料油の供給が2020年規制に従って行われることを担保する責任があることが規定されている。2番目の改正点は期間傭船契約について、規制遵守のための経過措置に関するもので、用船者に対しては、2020年1月1日までに、規制不適合燃料を除去して、規制適合燃料を積載することを義務付ける一方で、船主には同日までに、燃料油タンクに規制適合燃料を積載できるような準備を行うことを義務付けている。また同日までに規制不適合燃料油を使い切り、2020年3月1日に規制不適合燃料油の輸送が禁止される前に、わざわざ不適合燃料油を抜き取る作業をすることを回避するよう用船者と船主が協力するよう求めている。以上の規定はあくまでモデル条項で、用船者と船主は個別の用船契約においてモデル条項を個別の事情に応じて修正することができる
      • 原文 Dec. 19, 2018. Hill Dickson (長谷部正道)
    • 【2】 米政府機関の閉鎖で業務停止となる連邦海事委員会・USCG海事センター
      • 【2】米国政府機関の一部閉鎖の影響を受けて、米全土の海事当局の業務にも影響が出ている。具体的には、12月26日から連邦海事委員会(Federal Maritime Commission: FMC)が閉鎖され、海運会社や港湾ターミナル運営会社等からの各種承認申請の受付がオンラインも含め停止され、同委員会のオンラインデータベースも利用できなくなる。またFMCに対する様々な書類の提出期限も12月22日をもって凍結される。米国沿岸警備隊が運営する海事センター(National Maritime Center: NMC)と地域試験センター(Regional Exam Center: RECs)も閉鎖され、RECで実施される予定だった試験等もすべてキャンセルされるが、カスタマーサービスコールセンターは通常とおり運営され、NMCのホームページも更新され、オンラインによる各種申請も受け付けるが、受け付けられた申請の処理は業務が再開されてからとなる。
      • 原文 Dec. 27, 2018, gCaptain (長谷部正道)
    • 【3】 東シナ海における漁民によるAIS不正使用の危険性
      • 【3】(論説)漁船が密集して操業する東シナ海において、漁民が自動船舶識別装置(Automatic Identification System: AIS)を漁網に設置することによって、漁網を船舶と誤認させ、船舶の安全運航を脅かしている。漁網に多くのAISブイが設置された場合、船橋の電子海図(ECDIS)上では、実際の船舶と漁網の区別がつかずに、すべてが船舶として表示される。AISは同一の海域を航海する船舶同士が衝突を避けて安全運航を担保するために作られたものであり、ブイ・漁網に設置することを想定されていない。IMOはこの問題を取り上げて、船舶以外へのAISの使用を禁止するべきである。あるいは、船舶とそれ以外の漁具等がECDIS上異なる標識で表示されるようにする必要がある。米国の海域においては、USCGの規則により、船舶のためのAISや救命のためのAISを目的外に使用することは禁じられている。
      • 原文 Dec. 27, 2018, gCaptain (長谷部正道)
    • 【4】 USCG職員には12月分の給与は全額支払い:1月分は未定
      • 【4】米政府の一部閉鎖の影響を受けてUSCG職員が12月の給与が無給となるおそれがあったが、12月31日に通常通り給与を受け取ることとなった。週末にわたってトランプ政権側は国土安全保障省(DHS)やUSCGと問題回避策について検討し、米国行政管理予算局も交えた徹底した調査と法的検討により、USCGは12月分の職員給与を支払う権限があるとの結論に至ったものである。ただし、措置は一時的なもので、2019年1月分の給与を支払うためには、2019年度の歳出予算または代替措置が議会を通過する必要がある。
      • 原文 Dec. 30, 2018, The Maritime Executive (武智敬司)
    • 【5】 合意なきEU離脱に備えて英政府が1億ポンド以上のフェリー用船契約を締結
      • 【5】合意なきEU離脱の際に混雑が発生することが確実視されているドーバー海峡ルートを回避するため、過去数か月間、英国政府は仏・デンマーク・英のフェリー会社と用船契約を締結し、プリマス・プール・ポーツマスといった港湾から臨時のフェリーを運航して、1週間当たり約4000台以上のトレーラーを欧州側に迂回輸送することを計画している。英国船主協会の代表は「緊急避難対策として政府がフェリーの用船を計画するのは結構なことだが、通関時の問題は同様であり、政府がフェリーを臨時用船したからと言って、民間事業者以上に効率的に物流をコントロールできるかは不明である。」とコメントしている。上記3か国のフェリー会社と締結した用船契約金額の総額は1億290万ポンドに上っており、通常の政府調達・入札の手続きを踏んで用船することが困難な極めて緊急な事態に対処する。英国運輸省は、合意なきEU離脱の際に発生する欧州側国境における煩瑣な通関措置によって、必需品の輸出入が遅れて、英国経済とケント州の道路網に大きな混乱が発生する可能性が高いとしている。
      • 原文 Dec. 29, 2018, BBC (長谷部正道)
    • 【6】 海中投棄されるプラスチック製漁網を回収・リサイクルする取り組み
      • 【6】漁業や養殖業のために作成されたプラスチック製の漁網で、海洋に投棄されるものの量は海洋プラスチックごみの約半数にも達し、投棄後も魚類を捕獲するという本来機能を発揮して、海洋生物に深刻な被害をもたらしている。この問題の認識が広まる中で、世界中でダイビングクラブなどが海洋に放棄された漁網の自主的な回収活動を行っているが、こうしたボランティア頼みの活動では本質的な解決策にはならず、漁民を巻き込んで、海洋に投棄される漁具の量自体を減少させることが重要である。海洋投棄された漁網は傷んでねじれており、付加価値の高いプラスチック製品に加工するのは難しくコストもかかるが、米カリフォルニア州の若いサーファーによって設立されたBureoという会社では、チリ国内の26の漁村と提携して使用できなくなった漁網を回収するシステムを作りこれまでに185トンの漁網を回収してペレットに加工した。今後、世界自然保護基金(WWF)とペルーの水産庁と連携して、漁網のリサイクル量を1000トン以上に増やす計画である。
      • 原文 Dec. 28, 2018, China Dialogue Ocean (長谷部正道)
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