2018/9/11 LROニュース(6)

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  • 2018.09.12 UP
    2018/9/11 LROニュース(6)
    • 【1】 EUが「国際的な海洋管理―科学的支援」最終報告書を発表
      • 欧州委員会はEUと持続可能な漁業パートナーシップ協定を締結している13か国を対象として、国連持続可能な開発目標の14(海洋の保全と持続可能な利用)に焦点を当てて①海洋汚染の防止と大幅な減少②海洋と沿岸部の生態系の管理と保護③海洋酸性化と過剰漁獲の最小化について調査した報告書を発表した。報告書の中では、52の国家単位の事業と5の複数国間の地域的な事業が国際的な海洋管理を改善するものとして推奨される一方で、違法漁業の取り締まり・海洋汚染・海洋保護区の設定が国際的な海洋管理のための課題であると指摘している。
      • 原文 July 9, 2018, 欧州委員会(長谷部正道)
    • 【2】 北極海北航路経由でヤマルLNGが初めて中国に到着
      • 7月19日、ロシアのヤマルLNG事業のLNGが北極海北航路を経由して、中国の如東港に初めて到着した。ロシアの天然ガス企業のノヴァテクと仏のトータルが総額270億ドルを投資して昨年の12月から生産が開始されたヤマルLNG事業については、これまで欧州側への輸送は行われていたものの、今年夏の北極海の海氷の状況が悪かったので、中国をはじめとする極東のアジア諸国向けの北極海航路を利用した輸送がこれまでできていなかった。中国国営企業の中国石油天然気集団(CNPC)は2019年から少なくとも年間300万トンのLNGをヤマル事業から輸入する予定。北極海北航路を利用することにより、スエズ運河経由の従来ルートと比べると、輸送に必要な日数を約半分の15日間に短縮することができる。ノヴァテクはCNPCとシルクロード基金に対して、2022年から23年にも操業を開始する予定の北極第2LNG事業に資本参加するよう働きかけている。
      • 原文 July 19, 2018, Reuters(長谷部正道)
    • 【3】 一帯一路政策:西アフリカの窓口はセネガルに
      • (論説)習近平総書記が7月の南アフリカで開催されたBRICSサミットに訪れる途上にセネガルを公式訪問したことが示すように、中国は従来の東アフリカ諸国中心の投資から仏の影響下にあった西アフリカ諸国に進出するための窓口としてセネガルを選択した。セネガルとの関係では既に同国の首都のダカールからジブチを結ぶアフリカ横断高速道路の建設が決まっているが、このほかにもダカールとマリの首都を結ぶ鉄道の補修向上事業が追加され、さらに近隣国の海の無いマリとギニアビザウのコナクリ港を結ぶ鉄道建設やギニアビザウとコートジボワールに巨大ダムを建設することなど新規事業が目白押しである。こうした西アフリカ諸国への中国への進出が進むのと軌を一にして、旧宗主国の仏の影響力の低下が顕著となっている。
      • 原文 July 20, 2018, Lowy Institute(長谷部正道)
    • 【4】 中国による北極海科学調査が今年も開始
      • 7月20日、中国の砕氷調査船が北極海の科学調査のために出航した。今年も昨年に続き、22800kmを航海して、北極海の酸性化とマイクロプラスチックによる海洋環境汚染について調査を行う予定。地球温暖化ガスの影響で北極海でも海水の酸性化が進んでいることは知られており、マイクロプラスチックもサンゴ礁の白化や海洋の生物多様性に悪い影響を与えていると考えられている。マイクロプラスチックは動物性プランクトンの中でも発見されており、海洋中の食物連鎖を通じて濃度を高め最終的には人体に取り込まれている。調査船には131名が取り込み、9月まで調査が続けられる見込み。
      • 原文 July 22, 2018, Inquirer Net(長谷部正道)
    • 【5】 世界のスクラバー搭載実績に関する調査結果
      • 排ガス洗浄システムの開発等を手掛ける事業者から成る世界的な業界団体Exhaust Gas Cleaning Systems Association(EGCSA)が、会員に対してスクラバーの搭載実績に関する調査を行い、その結果を公表したところ、概要は以下のとおり。①5月31日時点の情報として、スクラバー搭載船(受注中も含む)は983隻であり、このうち63%が後付け型であった。②同じく全体の63%は、洗浄に用いた海水を海中に排出するオープンループ式のスクラバーであった。③新造船及び現造船におけるスクラバーの搭載実績を地域別にみると、アジアが全体の59%を占め、新造船に限って言えば実に85%を占めた。④スクラバーの搭載は、従来、エンジン出力が25~30MWの船舶までしか対応できなかったが、本調査による最新データでは、それを大幅に上回り、後付け型ハイブリッド式では対応可能な最大主機出力が72MWであった。⑤スクラバーの搭載は、ばら積み貨物船が28%と最も多く、次いでタンカー(23%)とコンテナ船(16%)が続いた。
      • 原文 July 19, 2018, EGCSA(野口美由紀)
    • 【6】 欧州委員会が英国等の5か国に品質管理システムの適合証書の発給を要
      • 【6】7月19日、欧州委員会はハンガリー・クロアチア・サイプラス・チェコ・英国の5か国に対して、船舶の旗国としての責任を定める命令(Directive 2009/21/EC)に定める品質管理システムの適合証書(Quality Management System Certification: QMSC)を旗国として発給する制度がいまだ整備されておらず、命令に反しているとして、2か月以内に是正措置をとるよう勧告を行った。
      • 原文 July 19, 2018, 欧州委員会(長谷部正道)
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