2018/5/18 LROニュース(6)

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  • 2018.05.21 UP
    2018/5/18 LROニュース(6)
    • 【1】 空母を中心とした統合運用能力の向上を図る中国海軍
      • 空母「遼寧」のほか40隻の艦艇、潜水艦から構成される中国艦隊が4月5日から南シナ海での演習を開始したが、専門家の分析によればこれらの艦船は中国海軍内の主要な3つの艦隊から召集されており、この演習は異なる艦隊に所属する艦船を、遼寧を中心に統合運用する能力を磨くことが目的と分析している。中国国外の専門家は遼寧について、抑止力の象徴としての「巨大なおもちゃ」であり、設計や装備の古さ、中国海軍の空母打撃群運用経験のなさからくる欠点だらけの訓練空母であるとの評価で一致している。他方、人民解放軍機関紙は今回の演習について、新型の艦載機や新型の航海・通信システムのテストであるとしているが、新装備に関しての詳細は報じていない。
      • 原文 Apr. 6, 2018, ASIA TIMES (武智敬司)
    • 【2】 欧州委員会がポルトガルによるトン数標準税制の導入を承認
      • 法人税率が低い国への海運会社の移転やEU船籍からの離脱を防止するために、EUは2004年に「海運への国家支援のガイドライン」をまとめ、トン数標準税制をはじめとする海運会社への優遇措置を認めているが、4月6日、欧州委員会はポルトガルが導入を予定しているトン数標準税制が、同ガイドラインに準拠しているとして承認した。トン数標準税制の対象となる船舶は欧州経済地域(EEA)内で登録されなければならないが、EEA籍であればどこの国に登録しても同じ条件でトン数標準税制が適用され、貨物輸送や旅客輸送といった海運会社の本業から得た利益の他に、こうした海運業に密接に関連する補助事業から得た利益(本業の利益の半分まで)と曳船・浚渫事業から得られた利益についても一定の条件のもとに、トン数標準税制の適用が認められる。またトン数標準税制の適用対象となっている船舶に乗り組むポルトガル人船員は所得税が免税となるほか、社会保険料も減額される。
      • 原文 Apr. 6, 2018, 欧州委員会(長谷部正道)
    • 【3】 海洋プラスチックゴミがもたらす重金属汚染
      • プラスチックは一度海に流出すると環境中に存在する様々な金属を吸着したり、時間とともにカドミウムや鉛などプラスチックに使われる重金属が海水中に溶出したりする。以前にトロント大学の研究者が行った研究では、プラスチックの劣化や微生物が形成するバイオフィルムによる表面積の増加の影響で、長く水中に浸っていたプラスチックほど吸着した金属の濃度が高いことが報告されている。今回、加サイモンフレーザー大学の研究チームは、バンクーバー地域の9つの海岸で回収したプラスチックゴミのサンプルからカドミウム、鉛、亜鉛、銅の4種類の金属を抽出し、それらがどのように吸着・溶出するか、また新しいプラスチックと比較し、時間とともに溶出する化学物質について研究を行い、科学誌PLOS ONE2月号に発表したところ、その内容は以下のとおり。①すべてのサンプルから微量の4種類の金属が検出され、5つのサンプルからはかなり高い濃度の金属が検出された。②プラスチックの種類によって検出された金属の濃度も異なり、もっとも多く発見されたポリ塩化ビニルプラスチックには高濃度の鉛や銅が吸着していた。③一方、新しいポリ塩化ビニルからは亜鉛やカドミウムが溶出していた。④これらの金属は食物連鎖を通じて沿岸生態系に影響をもたらす可能性がある。
      • 原文 Apr. 3, 2018, News Deeply(野口美由紀)
    • 【4】 欧州宇宙機関、宇宙からプラスチックゴミを観測する技術を開発中
      • 欧州宇宙機関(European Space Agency:ESA)は、現在、光学的手法を用いて海洋プラスチックゴミの発生源、集積、漂流状況を特定する技術開発プロジェクト「OptiMAL(Optical methods for Marine Litter detection)」に取り組んでいる。これまでプラスチックの汚染状況の把握は、既存のデータをまとめたり、航空機やドローンを用いた空中モニタリングによる定点的な観測が主であったが、今回、宇宙から観測する技術を開発し、世界規模の地図製作を目指す。本技術は物質が光を反射する特性を生かして、海洋プラスチックゴミの反射光を人工衛星でとらえ、海洋ゴミを識別するというもので、現在は、それがどのようにしたら可能か研究が進められている。結果について、最初の報告が今年中に予定されている。もしもすべてがうまくいけば、この技術でプラスチックゴミの集積度合いを定量化する方式を確立できるかもしれない。ただ、衛星観測には課題も多い。第一に、ほとんどの海洋プラスチックは藻や海洋生物に覆われている上、それらは広く分散しており、探知が難しい。第二に、衛星がとらえることができるのは海水表面上にあるものに限られ、水中にあるものは探知できない。しかし、これまでの調査でプラスチックゴミのほとんどは水中に存在していると推測されている。
      • 原文 Apr. 2, 2018, Ocean Deeply(野口美由紀)
    • 【5】 潮流・波力発電のためのインフラの海底設置に海底沈船の情報を活用
      • 両大戦中に独の潜水艦に撃沈された船舶がウェールズの沖合に200隻以上沈んでいる。2014年から、ウェールズ大学の海洋科学研究院の科学者たちは、マルチビームソナー探査機を搭載する海洋調査船を使用して、海底に横たわる沈没した船舶の位置を特定し調査を行うためのSEACAMS事業を70以上の海底で実施してきた。こうした調査は歴史家や考古学者に貴重な情報を提供するだけでなく、海洋再生エネルギー(MRE)事業者が、海底に基礎やタービンを設置した際に、これらの人工構築物が海底に物理的かつ生態的にどのような影響を与えるかを知るための重要な情報を得ることができる。沈船の周辺を調べることにより、海流によって海底の堆積物が流されたり、集積されるメカニズムや、人工構築物を設置することによって、こうした海底の海流や堆積物がどのような影響を受けるかを分析することが可能となる。またこうした人工構築物が、どのように人工的な漁礁として、どの程度周辺の魚類を増やし、クジラやイルカを引き寄せることが可能かも併せて調査することができる。
      • 原文 Apr. 6, 2018, Oceans Deeply(長谷部正道)
    • 【6】 欧州委員会、EU ETSの排出枠無償割当の見直しに向け、ロードマップを策定
      • 2005年に始まったEU排出権取引制度(European Union Emission Trading Scheme:EU ETS)は、総排出量の段階的な削減を目指し、これまで第1フェーズ(2005~2007年)と第2フェーズ(2008~2012年)が終了し、現在、第3フェーズ(2013~2020年)に入っている。しかし、第1フェーズでは排出枠の過剰割当の影響で、また、第2フェーズはリーマンショックによる景気後退の影響で、排出枠が供給過多となり排出権価格は大幅に下落し、現在は少し上昇したものの依然低価格状態が続いている。そのため、排出削減のインセンティブが有効に働かなくなっており、2021年からの第4フェーズ(~2030年)を前に、見直しが迫られていた。2月、欧州理事会はEU排出権取引指令の改正案に合意し、排出枠の無償配分に関するルールの準則と施行規則の採択権限については欧州委員会に委任した。これを受け、欧州委員会は新たな構想を描いたロードマップを策定し、3月20日に発表した。構想の主な内容は、①排出枠無償割当ルールの更新と②関係企業で生産水準に変更があった際の無償割当量の調整に関する新たな規則を制定についてである。なお、2月に合意された改正指令では、第4フェーズのEU全体の排出枠について、毎年の減少幅を現在の1.74%から2.2%に拡大することや、無償排出枠は全排出枠の43%とし、期間全体で約63億tCO2分とすることなども規定された他、域内産業の競争力を保護するため、そして、環境規制の緩いEU域外の国に生産拠点が移転(カーボンリーケージ)することでGHGの域外排出が増加するのを防ぐため、新たな規則も追加されている。
      • 原文 Apr. 6, 2018, Lexology(野口美由紀)
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