2018/5/16 LROニュース(6)

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  • 2018.05.17 UP
    2018/5/16 LROニュース(6)
    • 【1】 海賊:アデン湾でタンカーが海賊に銃撃される
      • IMB海賊情報センターによれば、3月31日にアデン湾においてタンカーが2隻の小型ボートに乗った海賊から銃撃を受ける事件が発生した。海賊は金品の強奪あるいは身代金目的の人質を狙ってタンカーを襲撃したと思われるが、タンカーに乗船していた武装警備員が応射したため襲撃を諦め逃走した。タンカーの乗組員に負傷者はない。
      • 原文 Apr. 3, 2018, World Maritime News(武智敬司)
    • 【2】 米戦略国際問題研究所が「海のシルクロード」政策に関する報告書を発表
      • 4月2日、米戦略国際問題研究所(CSIS)が「中国の海のシルクロード:インド洋・太平洋海域における戦略的・経済的な意味」という報告書を発表し、中国が投資しているミヤンマーのチャウピュー港、スリランカのハンバントータ港、パキスタンのグワダル港、インドが中国に対抗して開発を進めているイランのチャー・バハール港について具体的な検証を行ったうえで、経済的な影響と軍事的な影響を分析し、日米豪印が対応すべき方策について提言を行っているところその概要は以下のとおり。①中国が開発を行っている3港の経済的合理性について、㋐主要海運航路からの近接性㋑既存の港湾との近接性㋒後背地との経済的な接続性という3基準について検討を行った結果、特に後背地との経済的接続性要件が欠如し、3港全てについて投資を行う経済的合理性が少なかった。②中国にとってインド洋はエネルギーの輸入をはじめ主要交易路として重要であり、軍事的な影響力を拡充し、この交易路を防御しようとするのは極めて自然で、平時には、中国海軍の艦艇の燃料・物資補給・海賊対策の実施等のための基地として有用であるが、戦時にあっては、同海域は米豪にとってもホルムズ海峡・マラッカ・シンガポール海峡を守るために重要であり、中国が安定的に制海権を確保するのは難しい。③日米豪印は2004年のインド洋における津波災害の際に、共同で人道支援活動を行ったが、その後は各国の中国政府への思惑のずれから日米豪印の枠組みがうまく機能してこなかったが、中国の海のシルクロード政策をさらに軍事化させないためにも、日米豪印の枠組みを再活用する必要がある。
      • 原文 Apr. 2, 2018, CSIS(長谷部正道)
    • 【3】 紅海でサウジ籍VLCCに爆発 フーシによる攻撃か
      • 4月3日、原油を満載して紅海を北上中のサウジ籍VLCCで爆発が発生し、EU海軍によればイエメンの武装組織フーシの攻撃によるものとみられる。サウジの現地メディアの報道では、サウジ主導連合軍の発表ではVLCCは現地時間13時30分頃、公海上を航行中に攻撃を受け、連合軍艦艇が直ちに対応し攻撃を退けたとしている。使われた武器の種類などは明らかになっていない。攻撃によりVLCCは若干の損傷を受けたが、連合軍の護衛を受けて航海を再開しており、積荷の流出や乗員の負傷者は発生していない。
      • 原文 Apr. 4, 2018, gCaptain (武智敬司)
    • 【4】 中国によるEU内交通インフラへの投資規制に関する検討状況
      • (論説)中国の国家や共産党と直接・間接に関係を持つ中国企業によるEU内の戦略的な資産の買収が進む中で、欧州委員会は、伊・仏・独等の加盟国の要請を受けて、このような外国企業による投資を監視・規制するための法案を準備している。法案は欧州理事会と欧州議会で現在審議中だが、こうした監視・規制を行うにしても、欧州委員会にどれだけの権限を与えるのか、各加盟国が当該権限を行使すべきかが論点になっているほか、中国からの投資を欲しい小規模なEU加盟国は当該規制法案によって、自国への中国企業の投資が制限されるのではないかと懸念しており、本年中に法案について加盟国間の合意が得られる見通しは低く、当該規制が実際に実施されるのは2019年以降になろう。
      • 原文 Mar. 30, 2018, Lexology(長谷部正道)
    • 【5】 韓国政府が中期的造船・海運救済計画を発表
      • 4月5日、韓国政府海洋水産大臣は、経済関係閣僚会議で中期的な造船・海運救済計画を発表したところその概要は以下のとおり。①7月に産業振興庁を創設して、新船への投資・債務保証業務を開始する。②同庁は2020年までに140隻のばら積み貨物船と2万TEUと8隻の14000TEUのコンテナ船を含む60隻のコンテナ船を韓国の造船所に発注する。③現在、韓国最大のコンテナ船社は現代商船で33万TEUの輸送能力を持つ世界で14位のコンテナ船社だが、この大幅増船計画により、輸送能力を2020年までに100万TEUにまで引き上げる。
      • 原文 Apr. 5, 2018, 聯合(長谷部正道)
    • 【6】 ロングビーチ港が全米最大規模の排出ガスゼロ試験事業を開始
      • ロングビーチ港湾庁はカリフォルニア州エネルギー委員会から970万米ドルの補助を受けて、排出ガスゼロのクレーン等合計で25台の排ガスゼロまたは殆どゼロの貨物取扱機械を試験的に1年間運用する米国内最大の試験事業を4月4日開始した。ロングビーチ港とロサンジェルス港は2017年に「空気清浄行動計画(Clean Air Action Plan)」を改訂し、2030年までにすべてのターミナルの貨物取扱機械の排ガスゼロ化を進めることにしている。この試験事業により、年間1323トンのGHGと、スモッグの原因となる27トンの窒素酸化物が削減できる見込で、またこれまで当該荷役機械に使用してきた年間27万ガロン以上のディーゼル油を節約できる見込み。具体的には、1つのターミナルにある9基のディーゼル・電気併用の既存のガントリークレーンを完全電化に改造し、2つ以上のターミナルに電池・電動ヤードトラクターを12台購入し、陸上貨物輸送企業の4台のLNG燃料トラックをプラグインハイブリッドトラックに置き換える予定である。
      • 原文 Apr. 4, 2018, ロングビーチ港(長谷部正道)
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