2018/5/15 LROニュース(6)

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  • 2018.05.16 UP
    2018/5/15 LROニュース(6)
    • 【1】 ASEAN諸国は南シナ海で米国のプレゼンスを望んでいるのか?
      • 北朝鮮問題の陰に隠れて小康状態にあった南シナ海を巡る米中対立が再度明確化しつつある。米国は、南シナ海の安定には米国のプレゼンスが必要であり周辺国もそれを必要としていると主張するが、専門家は必ずしもそうではないとしている。ASEAN議長国だったシンガポールのリー首相は、多くのASEAN諸国は米国の立場を支持し歓迎すると述べたが、これは米国を太平洋地域のパワーとして評価したものであり、南シナ海を前提としたものではない。他のASEAN諸国の立場もまちまちで、ベトナムは日和見的であり、非同盟政策を固く遵守していくとみられるし、インドネシアの議員には米国の真意に疑念を持ち米中競争を不安定要素として懸念を有する者もいる。ブルネイは、フィリピンが中国から恩恵を得ていることに学んでいる。タイ、カンボジア、ラオス、ミャンマーは中立かあるいは中国寄りである。東南アジア諸国の米国への支持は、米国が考えるより薄く、はかないのである。
      • 原文 Apr. 3, 2018, ASIA TIMES(武智敬司)
    • 【2】 中越、対話による南シナ海問題の解決を確認
      • 4月1日、中越の外相が会談し、中国外相は会談後の共同記者会見において、領有権問題の解決が健全で持続的な両国関係に非常に重要であると合意したとし、問題解決には対話で対応し、問題を悪化するような一方的行動は互いに避けるべきと述べた。また、共同資源開発を含む協力を進めるべきとも述べた。中越は1979年の中越戦争や1980年代の中越国境紛争などで度々対立しており、2014年には南シナ海で越が領有権を主張するパラセル諸島近海で中国が石油掘削を試み、越艦艇がこれを妨害している。また、越漁船が中国公船に衝突され沈没する事件も起きている。一方、中越対立によって米越の軍事的協力が進展し、2013年には米国はベトナムへの武器供与を認め、今年3月には米原子力空母がベトナム戦争後初めて寄港している。また、中国の圧力を受けて、越は南シナ海のバンガード礁における石油掘削事業におけるスペイン企業との提携を解消したが、ブルーホエールガス田のエクソンモービルへの貸与を進めている。
      • 原文 Apr. 2, 2018, The Maritime Executive(武智敬司)
    • 【3】 ソーシャルメディアのSARでの活用
      • 2015年には海難で2,480人以上の人命が失われ、経済的損失は17億ドルに上るが、FacebookやTwitter、YouTubeなどのソーシャルメディア(SNS)を活用することで、これらの損失を減らせる可能性がある。効果的な捜索救助(SAR)は、迅速な救助計画の策定と素早い対応にかかっており、初期段階での情報収集による状況の評価と必要な対応の決定が必要である。SNSを活用することで、被害者が必要とする支援についてSAR機関への円滑な情報提供等が可能であるが、寄せられる膨大な情報から必要な情報を取捨選択する必要がある。現在のところSARに特化した世界的かつ承認されたSNSは存在しないことから、IMOやSNS運営者、政府機関、研究機関が協力して、適切な法的枠組みを検討する必要がある。更に、海事産業界が有する先進技術と厳格なPSCをこのシステムに組み込めば、更なる海難の減少につながり、人命、財産、環境の保護を図ることができる。
      • 原文 Apr. 2, 2018, The Maritime Executive(武智敬司)
    • 【4】 中国の一帯一路事業投資額が2030年には3000億米ドルに
      • Standard Chartered銀行が発表した報告書によれば、中国の対外直接投資は既に米国に続いて世界で第2位だが、一帯一路事業に対する対外投資は、2016年も対前年比12%増加し、中国の対外直接投資に占める割合は9%となっている。複数国をまたぐ地域的な鉄道・港湾・パイプラインの事業が進んでおり、例えば、中欧高速鉄道事業は、昨年6月までに、中国国内では21の州の27都市を、欧州では11か国の29都市を連結し、既に4000両の鉄道車両が運行されている。また港湾とそのターミナルに対しても過去2年間で200億米ドル以上を投資しており、例えば、長江経済地帯の南端に位置する寧波・舟山港は中国国内では最大深度のバースを持ち、一帯一路政策の結果同港に就航する航路は86に拡大して、昨年は10億トンの貨物を取り扱った。同港に荷揚げされた貨物は中国国内の14の州の36都市ばかりでなく、中央・北方アジア諸国や東欧諸国にまで鉄道輸送されている。こうした海上・鉄道一貫輸送によって輸送されたコンテナは今年40万個を超え、対前年比60%増加した。
      • 原文 Apr. 2, 2018, The Maritime Executive(長谷部正道)
    • 【5】 0.5℃の違いが将来の北極の海氷消失を大きく左右
      • コロラド大学ボルダー校の研究によると、気温上昇が産業革命前と比較して2℃以内の場合、2100年までに少なくとも一度は夏に北極の海氷が消失する可能性があるが、上昇幅を1.5℃に抑えられれば、その可能性は30%まで低下することがわかった。研究は、今世紀末までに気温が1.5℃から4℃まで上昇した場合を想定し、どの程度の早さや頻度で北極の海氷が消失するかコミュニティ地球システムモデル(CESM)を用いて分析。気温上昇が4℃のシナリオでは、2050年までに夏に3か月間海氷が消失する可能性が高く、さらに今世紀末には5か月にわたって海氷のない状態が続くとの結果も出た。
      • 原文 Apr. 2, 2018, The Maritime Executive(野口美由紀)
    • 【6】 ノルウェーで最初の自律運航総合支援会社が設立
      • ノルウェーの船社のWilhelmsen社とKongsberg社は自律運航船の設計・開発、遠隔管理システム・物流サービス・船舶の運航など自律運航船にかかわるすべてのサービスを提供する新会社を世界で最初に設立することに合意した。新会社のMassterly社はノルウェーのLysakerに本社を置き、2018年8月から活動を開始し、ノルウェー国内ばかりではなく、国際的に運航する自律運航船の遠隔操船管理センターを設立する。同社は2020年から完全自律運航を目指す世界で最初の完全電動自律コンテナ船であるYara Birkelandの開発と運航も担当する。自律運航船は当面短距離の内航船から導入が進められ、陸上のトラック輸送に比べて経済的にも有利になれば、物流のモーダルシフトを進め、物流の効率化と排気ガスによる環境負荷の削減を図り、国連持続可能な開発目標の実現に貢献することとなる。
      • 原文 Apr. 3, 2018, Kongsberg(長谷部正道)