2018/5/14 LROニュース(6)

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  • 2018.05.15 UP
    2018/5/14 LROニュース(6)
    • 【1】 英MCAの2018-19年度業務計画
      • 英国海事沿岸警備庁(MCA)が公表した2018-19年度の業務計画の概要は以下の通り。〇オンライン船舶登録システムの導入や船員の訓練・資格証明(SRS)、認証医師サービス(ADIS)の利用、主要無線ネットワーク施設の更新におけるデジタル化の促進。 〇全ての救難業務をレビューし、対応を評価し、必要に応じてガイダンスを与えた上で、事案発生後30分以内の業務調整官指名を確実にする。 〇英国船籍の価値の向上のため、MCAの有する専門的知見を活用し、顧客サービスの向上を図り、2023年までに英国籍船舶の登録量を3000万GT増加させる。この実現のため、2019年3月末までに英国籍船の登録量を190万GT増加させる。 〇海洋汚染事故対応の95%以上において、汚染対策・救助担当官を10分以内に立ち上げるとともに、必要に応じて、専門的な汚染対策支援要員を30分以内に投入する。 など。
      • 原文 Mar. 26, 2018, Maritime & Coastguard Agency(武智敬司)
    • 【2】 IMOにおける情報公開、便宜置籍国・業界団体等の影響力の問題点
      • 国際機関等の不正腐敗を追求するNGOのTransparency InternationalはIMOの現在のガバナンスの問題点を指摘しているところその概要は以下のとおり。①理事会と事務局の活動に関する情報公開が不十分で、理事会を含む各種委員会の議長・副議長の選出方法に関する情報が公開されていない。②IMOで投票が行われることは少ないこと、記名式の投票が行われないこと、マスコミが各国代表の同意がない限りその活動を報道できないことから、各国の国民は各国の代表が実際に国民のために活動しているのか知りえない。③IMOは各国の分担基準を含む財政規則を公表していないが、負担額上位10か国で64%の負担をし、そのうち8か国が理事会メンバーでさらにその中には、パナマ、リベリア、マルタ、バハマといったいわゆる便宜置籍国が含まれている。③IMO条約の発効要件には、世界全体の船腹量の一定割合を占める国の批准が要件とされており、世界の過半数の船腹量を支配する5大便宜置籍国の影響力が不当に強い。④IMOの会合に出席できるオブザーバーの構成をみると、業界団体が市民団体の5倍、労働団体の3倍となっており、またオブザーバーの要件として、IMOの活動を支持することとされており、業界やIMOと異なる意見を表明しにくい。⑤内部告発者に対する保護は事務局職員にしか適用されず、各国代表の告発者に対しては適用されない。⑥各国代表をどのように選定するかについては、各国の判断に任されており、直接利害関係を持つ業界代表を政府代表団に加えている国があり、公共の利益との利益相反を禁止することも出来ず、各国の国民は自国の代表が特定業界の利益を代弁しているか否か判断できない。
      • 原文 Apr. 3, 2018, Transparency International(長谷部正道)
    • 【3】 インド船主協会がカボタージュの緩和に反発
      • 現在インドの内航海運は原則としてインド籍船に留保され、インド籍船を配船することが不可能とインド海運局に認定された場合に限り、外国籍船を内航海運に使用することができるというカボタージュが維持されている。また、電力等の国営企業が用船契約を締結するにあたり、外国の船社が入札した最低価格と同じ価格で、インド船社が受注できるというRight on First Refusal(RoFR)も海運局のガイドラインに基づき認められている。しかし、現在政府が、こうしたカボタージュ規制等の緩和を検討していることから、インド船主協会(INSA)は強く反発している。インド船主は外国船社と比べて、インド籍船を使用することによって、より高い税金・燃料費・船員の人件費に対する課税等の割高なコストを甘受しているが、カボタージュ規制が緩和されるのであれば、外国船社との競争条件の均衡化を図るために、支配下の船舶をインド籍から外国籍に転籍すると脅しをかけている。
      • 原文 Mar. 30, 2018, Business Line(長谷部正道)
    • 【4】 米FMCがコンテナの超過保管料金と延滞料金に関する調査を開始
      • 米連邦海事委員会(FMC)は、米国のコンテナターミナルにおけるコンテナ超過保管料金(デマレージ)とコンテナ延滞料金とそれぞれの料金が発生しない期間(free time)に関する慣行を調査することを既に3月5日に決定していたが、調査の第一段階として、コンテナターミナルを利用する船社とターミナル管理会社に対して、当該料金制度に関する情報と当該料金の必要性を説明する文書の提出を4月2日に命じた。FMCは同時に、荷主やコンテナ陸送事業者等の利害関係者に対し、上記料金慣行について合理的でない点があれば、説明資料をつけて申し出て欲しいと呼び掛けている。
      • 原文 Apr. 2, 2018, FMC(長谷部正道)
    • 【5】 緊急曳航タグボートの廃止で油濁の危機にある英国の海岸
      • 2016年11月にドーバー海峡で29,000トンの貨物船が嵐で操船不能となった事故に対する英国船舶事故調査局(UK MAIB)のレポートによれば、貨物船がタグボートの支援を求めたものの、2011年に英国政府が経費削減のため4隻の国営緊急曳航タグボートを廃止した影響で対応可能なタグボートが1隻もなかったことが明らかにされた。英国は1993年にシェットランド諸島で発生した原油タンカーによる座礁・原油流出事故を受けて1994年に緊急曳航タグボートを英国各地に配置したが、2010年に民間タグボートで対応可能としてこれを廃止している。2016年の事故の際は、英国沿岸警備隊は付近で十分な能力のタグボートを手配できず、貨物船は座礁寸前で無人の台船と衝突して停止したものの、フランスから電力を供給している海底電線を損傷しており、その復旧に30万~40万ポンドを要したとされている。MAIBの首席調査官は、仮にタンカーが座礁していれば甚大な油濁汚染が発生するであろうし、気候変動の影響でその危険は高まっており、悪天候でタグボートの支援を必要とする確率は今後高まるであろうと指摘している。
      • 原文 Apr. 3, 2018, The Times (武智敬司)
    • 【6】 ReCAAP ISC週間レポート(3月27日-4月2日)
      • 3月27日から4月2日の間、ReCAAP情報共有センター(ISC)に報告された海賊及び武装強盗事件はなかった。ReCAAP ISCは引き続き、海賊及び武装強盗事件について沿岸国及び旗国への通報と、厳格な見張りと海賊等防止策の励行を呼び掛けている。また、スールー海・セレベス海及び東サバ州は可能な限り迂回することを推奨している。
      • 原文 Apr. 2, 2018, ReCAAP ISC (武智敬司)