2018/11/5 LROニュース(6)

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  • 2018.11.06 UP
    2018/11/5 LROニュース(6)
    • 【1】 LNGは生産・輸送・燃焼過程でメタンガスを放出するため環境上メリット無し
      • 10月24日、NGOの「交通と環境(Transport & Environment:T&E)」が、自動車と船舶の燃料としてCNGとLNGを使用することによる環境への影響を分析した報告書を発表したところ、その船舶に関する部分の概要は以下のとおり。①LNGは燃焼時にメタンガスを放出し、また製造・輸送過程においてもメタンを漏出するので、大部分の場合において、石油等の他の化石燃料と環境への負荷は同じである。②船舶燃料としてLNGを使用した場合のGHG排出量は、舶用ガスオイル(MGO)を使用した場合と比べ、未燃焼メタンの大気中への漏出具合によって12%減から9%増と幅がある。③メタンはCO₂に比べて、強力なGHGでいったん大気中に放出されると、100年にわたりその温室効果はCO₂より28倍も高く、2010年の実績でメタンはGHG全体の20%を占めており、毎年排出量が増えている。
      • 原文 Oct. 24, 2018, Transport & Environment(野口美由紀)
    • 【2】 ICSとITFがILO海事労働条約の船員福祉に関する新たなガイドラインを発表
      • 国際海運会議所(ICS)と国際運輸労連(ITF)はILOの国際海事労働条約(MLC)の船員福祉の部分の実施に関する新たなガイドラインを10月22日発表した。ICSとITFによれば、既に高いレベルの船員の福祉に関するサービスやインフラを提供している国や船員供給国と知られている国の中でも、依然として多くの国がまだMLCを批准していないが、これらの国々の船員福祉を担当する政府機関が今後の批准に向けて、MLCの船員福祉に関する規定の国内実施に関する国内のガイドラインを作成する際の参考とし、また既存の船員福祉に関する国内措置をMLCに適合することを支援するために今回のガイドラインが作成された。本ガイドラインはICS等のホームページからダウンロードできるほか、各国の船主協会やITFの国内支部から配布される。
      • 原文 Oct. 22, 2018, ICS (長谷部正道)
    • 【3】 米モンテレー湾水族館研究所が油流出を追跡できる自律型無人潜水機を発表
      • 10月23日、米モンテレー湾水族館研究所(Monterey Bay Aquarium Research Institute:MBARI)は、海洋に流出した油を検出し、追跡する新たな長距離自律型無人潜水機(AUV)の発表を行った。MBARIの技術者らは、米沿岸警備隊(USCG)やウッズホール海洋研究所(Woods Hole Oceanographic Institution:WHOI)とも連携し、水中で油を検出できる蛍光光度計をAUVに取り付けて、無毒の生分解性染料で油の流出を想定した試験を行ったところ、蛍光光度計がプルームと呼ばれる染料の層を検知すると、AUVはプルーム内の染料濃度の測定と最も高濃度な海域の記録を行いながらその層を追跡することができた。AUVがプルームから外れたときは、自動的に向き変えプルームへ戻ることも可能であった。また、USCGが海氷の下の油流出を発見・追跡できるAUVに特に関心を持っていることから、今回の試験ではAUVが海氷の下を移動できる装置も取り付けられた。これまでMBARI は、8月に米海洋大気庁(NOAA)とともに有毒藻類が高密度に発生した場所を地図化するためのAUV試験を行った他、過去8年、微細藻類や海洋の化学的性質を調査するためにAUVを利用してきている。
      • 原文 Oct 23, 2018, The Maritime Executive (Julie Harper)
    • 【4】 米海軍が中型の自律運航艦艇の建設が可能かについて民間からの意見を募集
      • 米海軍は以下のスペックの中型(船長12mから50m)の自律運航艦艇(Medium Unmanned Surface Vehicle: MUSV)を米国で技術的に建造することが可能か等について、民間からの意見募集を開始した。MUSVの具体的なスペックは以下のとおり。①16ノット以上の速度で、4500カイリ以上の航続距離を持ち②平穏な海域において24ノット(最高27ノット以上)で航行可能で③バンカーとしてNATO海軍共通燃料であるF76またはF44を使用でき④NATOが定める気象・海象条件(NATO STANAG 4194)4の環境で十分に安定した運航が可能で、⑤気象海象条件5の環境下でも遭難を避けることができ、⑥最低60日間(目標としては90日間)人間による保守作業なしで継続して運航できること。
      • 原文 Oct. 24, 2018, Safety4Sea (長谷部正道)
    • 【5】 欧州委員会がBlue Economy振興のために1870万ユーロの新補助金申請を募集
      • 10月16日、欧州委員会はBlue Economy振興のために、欧州海事漁業基金(European Maritime and Fisheries Fund: EMFF)から総額1870万ユーロを支出し、3つの新たな補助制度を新設し、補助金申請を公告したところ新たな補助制度の概要は以下のとおり。①Blue Labs(500万ユーロ):若い研究者たちが産業界等の支援を受けながら、持続可能なBlue Economyを支援し海洋資源や生態系を保全する革新的な技術を共同で開発する際の補助。②Blue Careers(550万ユーロ):人材の育成について、現在の教育・訓練システムで養成される人材と実際に海事関係業界が必要とする人材を比較し、現在の教育・訓練システムでは海事関係業界の実需に対応できていない部分を補う人材育成事業に対する補助。③Blue Tech(820万ユーロ):すでにコンセプトがしっかり出来上がり、実証実験も済んでいるような技術実用化レベル(Technology Readiness Level: TRL)6から9までに達している技術を商業化するための補助。
      • 原文 Oct. 23, 2018, 欧州委員会(長谷部正道)
    • 【6】 海事手続き窓口の一元化:欧州港湾協会が欧州議会報告案を支持
      • 欧州委員会は5月17日に欧州海事単一窓口(European Maritime Single Window: EMSW)を創設する提案を発表したが、10月15日、欧州議会交通観光委員会の報告者(rapporteur)は欧州委員会の提案に対する交通観光委員会としての報告案を作成し発表した。報告案では、報告を求められる情報内容の整合化と各EU国内およびEUレベルでの税関当局と海事当局との連携が強く求められている一方で、当局間において要求される情報の内容の整合性が完全にとられている場合でも、必要があれば、関係当局が追加的な情報の提供を求めらることも認めている。さらに報告案では、既存の港湾情報システムから各国の単一窓口(National Single Window: NSW)に必要な情報が転送されるなら、情報報告者が既存の港湾情報システムを通じて情報を報告することを認めるべきであるともしている。欧州港湾協会(ESPO)としては以上の報告案は、欧州委員会の提案をさらに改善したもので、今後の議論の良いたたき台となるものとし、基本的な内容を支持し、報告者の案が交通観光委員会で採択されることを望んでいると、10月25日表明した。
      • 原文 Oct. 25, 2018, ESPO(長谷部正道)