2018/10/25 LROニュース(6)

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  • 2018.10.26 UP
    2018/10/25 LROニュース(6)
    • 【1】 IEA:プラスチックごみ削減のためにはリサイクル・廃棄物管理制度の整備が必要
      • 10月5日、国際エネルギー機関(International Energy Agency: IEA)が、「石油化学製品の将来(The Future of Petrochemicals Towards)」という報告書の中で、プラスチックごみ問題に言及しているところその概要は以下のとおり。①海洋プラスチックごみ削減対策に今すぐ取り組まない限り、海洋プラスチックごみの量は、2030年までに現在量の2倍以上増加し、その後さらに悪化が続く。②世界各国が一致してプラスチックのリサイクルや廃棄物管理に真剣に取り組まない限り、プラスチック製ストローの禁止など目先のプラスチックごみ抑制対策をとってもプラスチックごみの総量削減は不可能。③世界の海洋にはすでに1億トンのプラスチックごみが流入しており、その量は毎年500万トンから1500万トンずつ増加している。④悪名高い「太平洋ごみベルト」海域は仏の3倍の面積で、世界の人類1人当たり250個のプラスチックごみが集積しているが、それでも同海域におけるプラスチックごみの総量はわずかに7万9000トンとされており、海洋全体に流れ込んでいる総量のほんの一部に過ぎない。⑤漁業や海運を発生源とする海洋プラスチックごみは全体の2割に過ぎず、残りの8割は陸上起源のプラスチックごみで、その過半数が中国・インドネシア・フィリッピン・タイ・ベトナムのアジア5か国から排出されている。
      • 原文 Oct. 5, 2018, Bloomberg(野口美由紀)
    • 【2】 英政府:自律運航船に関する規制の在り方等の調査のためにMCA等に予算措置
      • 英国ビジネス省(Department of Business: DoB)は英国海事沿岸警備庁(Maritime & Coastguard Agency: MCA)と他の2つの政府機関に、自律運航船等のSmart Shipping(SS)に対する規制の在り方を検討させるために、130万ドルの予算を配分した。この予算により新たに海事自律規制研究所(Maritime Autonomy Regulation Lab: MARL)を創設し、MCAと運輸省(DoT)の職員が関連業界と学術的な研究者と一緒になって、新たなSSの分野をいかに最も適した形で行政として監督していくかについて検討を行うとともに、研究所は英国が自律運航船開発で主導的な役割を確保できるよう、自律運航船の水上試験場としての役割も果たす予定。MCAは自律運航に関連するビジネスは2030年までに1300億ドルの規模に成長すると見込んでおり、英国の産業界が主導的役割を果たすことを期待している。
      • 原文 Oct. 5, 2018, Maritime Executive(長谷部正道)
    • 【3】 UNCTADがReview of Maritime Transport 2018を発表
      • 国際連合貿易開発会議(UNCTAD)が、10月3日、「2018年版海上輸送の回顧(Review of Maritime Transport 2018)」を発表し、海運における7つの傾向を指摘しているところその概要は以下のとおり。①保護貿易主義が台頭し、世界全体の経済成長や自由な貿易活動に悪影響を与えている。②中国の一帯一路政策やe-commerceの拡大により海上貿易量が拡大したが、海運のデジタル化により拡大した海上輸送量を効率的に処理することを可能としている。③過度に楽観的な海運会社のシェア争いにより、新造船が過剰に供給され、市場の需給バランスを崩して、運賃や海運会社の収益性を低下している。④海運会社の統合が近年進み、競争が制限され、大手海運会社による市場支配力の乱用が懸念される。⑤海運会社による大規模なアライアンスが出現し、寄港地の集約・決定権などを通じて、港湾に対するアライアンスの支配力が強化されている。⑥規模の拡大ばかりでなく最新技術を活用する能力が海運会社にとって重要になってきている。⑦2050年までに船舶から排出されるGHGを2008年比50%削減し、2020年から燃料中の硫黄含有分が規制強化されるなど、環境問題への適切な対応が船主にとって重要となっている。
      • 原文 Oct. 3, 2018, UNCTAD(長谷部正道)
    • 【4】 ハパックロイド:2019年から透明性の高い船舶燃料費回収制度の導入を発表
      • 10月8日、ハパックロイド(Hapag-Lloyd)は、硫黄分排出規制強化に伴い大幅な上昇が見込まれている燃料費の回収措置として船舶燃料回収(Marine Fuel Recovery : MFR)制度を2019年1月1日より順次導入すると発表した。同社は最も環境にやさしい規制適合対策として低硫黄適合燃料油を使用することを基本方針としており、規制初年度における高硫黄分燃油(HSFO)と低硫黄分燃油(LSFO)の価格差が、トン当たり250ドルと仮定するとLSFO使用による初年の追加コストは約10億米ドルに上ると推計している。このコスト増をカバーするため既存の燃料関連料金すべてに代わりMFRを順次導入する。MFRは1TEU当たりの燃料消費量に市場の燃料油価格を掛け合わせて基本的に算出され、他社が既に提案している燃料調整(BAF)サーチャージが算出方法を公開していないことと比較すると、燃料費の変動に直結し、透明性が高く、荷主にとってもわかりやすい制度となっている。
      • 原文 Oct. 8, 2018, ハパックロイド(野口美由紀)
    • 【5】 英国水路部が海底水深図など海洋情報を公開
      • 英国政府は、英国水路部など政府機関が保有する重要な情報の品質を向上し、民間事業者が簡単にアクセス・利用することができるようにすることにより、英国経済に年間最大110憶ポンドの付加価値を創設することを目的として2017年に地理空間委員会(Geospatial Committee: GC)を設置した。英国水路部(UK Hydrographic Office: UKHO)は、高精度の海底水深図や海水の密度・塩分濃度・水温等の幅広い海洋の地理空間情報を保有しているため、他の政府関係5機関とともに、GCから情報を公開すべき政府機関に指定されていた。海洋の地理空間的な情報の有効利用は、海洋環境の保護と適正な利用を促進し、海洋観光や関連海事産業の発展につながるだけではなく、自然災害発生時の被害の最小化やと気候変動の影響の緩和にも寄与する。英国水路部はこれまでの情報処理の経験を最大限活用して、水路学・海洋学・ソフトウエアの開発・情報科学などあらゆる分野で、UKHOの情報をGCが英国経済のため最大限活用することを支援していく。
      • 原文 Oct. 8, 2018, 英国水路部(長谷部正道)
    • 【6】 温暖化が進む北極圏で背丈が高くなった植物がさらに温暖化を促進
      • 科学誌ネイチャーに発表されたエジンバラ大学の研究者等による論文によれば、永久凍土が広がる北極圏のツンドラ地帯で、地球上のどのバイオーム(生物群系)よりも急速に温暖化が進行していることが明らかになり、同地域における植生変化と気候の相乗効果による予期しない影響が今後広範囲に及ぶ可能性が示唆された。180人もの科学者が30年以上かけて行った調査では、北極圏における低木や草の背丈が温度上昇によって高くなっていることや植物の成長が乾燥地よりも湿地帯でより見られることが確認された。背丈の高い植物にはより多くの雪が積もるため、その下の土壌は完全に凍結しなくなり、夏の間、永久凍土が融解しやすくなる結果、世界中の地中の炭素の過半数が存在しているといわれるツンドラから炭素が大気中に放出される。さらに、雪の上に突き出た背丈の高い植物が地表に影を落として熱吸収率を上げることにより、ツンドラにより多くの太陽熱が蓄積される。このように、植物の特性は炭素循環と生態系のエネルギーバランスに大きな影響を及ぼし、最終的にはより広い地域や地球全体の気候にも影響を与える可能性がある。
      • 原文 Oct. 8, 2018, UNEP(野口美由紀)
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