2018/10/15 LROニュース(5)

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  • 2018.10.16 UP
    2018/10/15 LROニュース(5)
    • 【1】 国際海上保険連合が大規模事故データベースを作成中
      • 9月に開催された国際海上保険連合(IUMI)の総会で、昨年からIUMIが取り組んでいる船舶と貨物の損害に関する多額損害請求事案を集めたデータベースを作成するための試行事業の進捗状況が報告された。過去数か月にわたって、ベルギー・独・日・蘭・スウェーデン・星等のIUMIの会員から25万ドル以上の船舶と貨物の損害請求事例を集めたうえで、本事業に参加しているボストンコンサルティンググループ(BCG)が収集された生情報の整合性を整えてデータベース化して分析し、損害発生の傾向と対策を割り出す作業を進めている。過去1年間の試行を通じて、IUMIの会員が一定の様式に従って情報を提出することに協力し、損害要因を分析するために必要な情報量が確保できることが確認された。今後さらに多くのIUMI会員会社が試行事業に参加することを呼び掛けて、データベースの規模の拡大を図っていく。
      • 原文 Sep. 17, 2018, Safety4Sea(長谷部正道)
    • 【2】 ロングビーチ港・ロサンゼルス港で港運に利用されるトラックの環境規制を強化
      • 港湾の海運ターミナルに出入りするトラックは港運トラック登録(Port Drayage Truck Registry: PDTR)に登録する義務があるが、環境にやさしいトラック計画(Clean Trucks Program: CTP)のもと、ロングビーチ港とロサンゼルス港における大気汚染を削減するため、10月1日以降、新たにPDTRに登録できるトラックの型式は2014年以降の型式に制限されることとなった。9月30日までに既に登録されているトラックについては、2014年以前の型式であっても、カリフォルニア州の排気規制に適合しているトラックであれば引き続き使用できる。両港はサンペドロ湾の港湾における大気清浄化行動計画(Clean air action Plan: CAAP)に従い、トラックからの排気を含む共通の排気規制基準を共有している。
      • 原文 Sep. 18, 2018, Clean Air Action Plan(長谷部正道)
    • 【3】 マースク:2019年から新たな燃料割増料を導入
      • 9月17日、マースクは2019年1月から現行の標準燃料割増料(Standard Bunker Adjustment Factor: SBF)に代わる新たな燃料割増料(Bunker Adjustment Factor : BAF)を導入すると発表した。同社は硫黄分排出規制対策として、同社が運航する船舶の大部分で低硫黄適合燃料油を使用する方針を掲げているが、それに伴う追加の燃料費は年間20億米ドルに上ると見積もっており、新たなBAFはその莫大な燃料費の回収を目的としている。新BAFでは、燃料価格の変動による海上輸送コストへの影響を予見しやすくするため算出方法を簡素化し、世界の主要給油港における平均燃料価格と特定の航路での平均燃料消費量を反映した取引要素(trade factor)によって算出される。
      • 原文 Sep. 17, 2018, マースク(野口美由紀)
    • 【4】 欧州委員会が中国の一帯一路政策に対抗する「連結戦略」を採択
      • (論説)9月19日、欧州委員会は欧州とアジアを結ぶための「連結戦略」を採択して、中国の「一帯一路」戦略に対抗していくことを明らかにした。2014年にモンテネグロ政府は同国のGDPの1/4に相当する大規模な高速道路建設事業の実施のために、中国輸出入銀行が事業費の85%を融資する協定を締結した。また、中国はベルギー・蘭・西・伊・希の港湾のいくつかの全部または一部の取得をひそかに進めている。こうした中国の攻勢に対抗するためには、重要インフラ建設のための信頼できる持続可能な対案を援助対象国に示し、EUがこれらの国とどういう関係を結び、これらの国々がEUに対して何を期待できるか明示する必要がある。ユーラシア大陸における中・露・米・EU間の地政学的な競争はますます強まっており、この連結戦略はEUがこの競争に勝ち抜くための一石を投じたことになる。
      • 原文 Sep. 19, 2018, EURACTIV(長谷部正道)
    • 【5】 永久凍土の融解による土壌の風化で大量のCO2が発生
      • 9月5日、カナダアルバータ大学の研究者らがカナダ北極圏西部で行った永久凍土の融解に関する研究が、科学誌Earth and Space Scienceに掲載されたところ、その概要は以下のとおり。①永久凍土が融解すると、永久凍土中に含まれる鉱物が化学的な風化作用を受けやすくなる他、永久凍土の表面にサーモカルスト (Thermokarst)と呼ばれるくぼみができやすくなる。②同地域の永久凍土は特に硫化物を多く含むため、このサーモカルストが形成されると化学反応で硫酸が発生し、さらにこの硫酸が同地域に存在する氷河によって運ばれた堆積物(漂礫土)の風化を引き起こす結果、これまで考慮されてこなかった大量のCO2が発生している。③風化作用の影響は地域の鉱物含有量によって異なるが、北極圏全体でサーモカルストの形成が進めば、淡水の炭素循環に大きな影響を及ぼす可能性がある。
      • 原文 Sep. 5, 2018, American Geophysical Union(野口美由紀)
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