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国際活動

世界は海でつながっています。その海には世界共通のルールがあり、そのルールによって安全な航海が守られ、海洋汚染が防止されています。
世界有数の海運・水産国である日本は、新しい国際条約の作成に積極的に参加し、意見を反映させる必要があります。また、発展途上国に対して日本の持つ経験や技術を伝えるなどの国際協力も期待されています。日本海難防止協会は、日本政府や海事業界と協力し、これらの活動を行っています。

1. 国際会議と情報収集・提供

船舶は世界をつなぐ海を航行するため、船舶の航行安全の確保を考える場合、世界各国でどのような対策が採られているか知ることは、非常に重要です。そのため、当協会の研究員がイタリア、トルコ、シンガポール、中国など関係機関を訪問し、最新の航行援助装置の有効利用方法や、海賊問題などについて調査研究を行い、その成果を関係者に提供しています。
また、国際海事機関(IMO)の各種会合に出席して、最新情報の収集を行っています。IMO会合の前後には、日本国内の海事業界、学識経験者、政府関係者から構成される委員会を開催し、IMO会合における日本の対応検討、審議結果報告を行っています。

2. アジア各国への協力

東南アジア地域は、東アジア地域と中東・欧州を結ぶ重要な航路として、また、今後の経済発展が見込まれる同地域の物流の場として、船舶の航行隻数が多く、また、今後ますます増加することが予想されます。このため、工業製品の原料となる油や有害危険物質(HNS)を輸送する船舶の通航も多く、海難が発生すれば大規模な海洋汚染につながることが懸念されます。このような地域の海洋環境を守るため、1990年(平成2年)にOSPAR計画(アセアン海域における大規模な油流出事故への準備および対応に関する国際協力計画)に参画し、その後も積極的に同地域における海洋汚染防止のための協力を行っています。
近年では、アセアン地域の政府担当者に対し、油やHNSが海上に流出した場合の対応を学ぶワークショップや実習訓練を行い、アジア地域における海洋環境保全のための専門家の育成・対応体制の確立を支援しています。
また、当協会は海賊事件の多いアジア海域での船舶の航行安全を確保するため、アジア地域の海上保安機関の人材育成を支援しています。2005年(平成17年)には、新しく発足したマレーシアの海上保安機関に練習船を寄贈しました。現在は、海上保安庁が主体となりアジアの海上保安機関の責任者を集めた「アジア海上保安機関長官級会合」が年に1度開催されており、当協会は事務局としてこの会合を支援しています。
机上訓練 長官級会合

3. ミクロネシア各国への協力

太平洋は地球の約3分の1を占める広大な海域であり、そこから得られる水産・海洋資源は人類にとってかけがえのない恵みです。他方、太平洋に所在する国々は、概して国土が狭く人口の少ない島嶼国であり、各国独自では、各国の広大な水域等を適正に管理することが困難な状況であり、監視取締りや海難救助等の対応勢力も十分ではありません。
このため、従来からアメリカやオーストラリア等によってこれら地域への支援が実施されていますが、ミクロネシア各国を含む太平洋島嶼国の海洋管理能力の一層の向上が求められています。
このため、当協会では、平成23年度から、公益財団法人日本財団と協力し、太平洋に所在するミクロネシア3カ国(パラオ共和国、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島共和国)の海上保安能力を強化支援する事業を実施しており、これまでに各国への小型艇や通信施設等の供与を終え、今後は、各国関係職員の研修・訓練等も行い、ミクロネシア3国における総合的な海上保安能力の強化を目指して一層効果的な支援を実施してゆく予定です。
「ミクロネシア3国の海上保安能力強化支援プロジェクト」の詳細はこちら

パラオ共和国へ供与した小型艇KABEKELMTAL

4. 連絡事務所における活動

○ロンドン連絡事務所(研究室)
世界の様々な海域を航行する船舶が守るべき交通ルールや安全確保のための設備の基準などが国によって異なると大変不便であり、時には乗組員の命にかかわる問題となったり、大規模な海洋汚染につながったりする可能性もあります。
このため、ロンドンに、このような問題に対応するための国連の専門機関であるIMOが設置されており、各国の代表が会合を重ね、条約等を審議・作成しています。
当協会のロンドン事務所は1983年(昭和58年)に設置され、以後、国内外の関係機関との情報交換などを通じて海難防止及び海洋汚染防止に関する調査研究を実施しています。また、IMOの各種委員会等に出席し、専門的見地から我が国の代表を補佐しています。最近は、特にソマリア沖・アデン湾における海賊事案の急増が深刻な問題となっており国際的な取組みの協調が求められています。
IMO
○シンガポール連絡事務所
マラッカ・シンガポール海峡を含む東南アジアの海域は、我が国の経済活動を支える重要な航路であるばかりか、世界の海上輸送の上でも最も重要な海峡の一つになっています。
このため、インドネシア、シンガポール、マレーシアの海峡沿岸国に加えて、この海峡を利用する各国の政府や関係する団体が協力して各種取組みを行う「協力メカニズム」の下で、この海峡の航行安全、環境保全を確保しており、各種国際会議の開催等様々な活動が行われております。
シンガポール連絡事務所では、これらの国際会議に出席するとともに、沿岸国政府やシンガポールに拠点を置く海運団体と情報交換を行い、日本政府や日本の海運団体がより適切な協力ができるように情報提供を行っています。
具体的には、マラッカ・シンガポール海峡の沿岸国や利用国、海運団体が一堂に会して対話を行う「協力フォーラム」や、同海峡の航行援助施設を維持管理するために設立された基金の運営状況を確認するための委員会等へ参加し、各国、各団体の協力がより円滑に進むよう活動しています。また、海峡を通過する船舶の交通量や、海賊・海上武装強盗の発生状況等を調査・分析し、新たな協力の可能性についても検討しています。
これらの活動を通じて、日本の経済活動に必要な、原油や各種物資の輸送路の安全確保に協力しております。

○富山連絡事務所
 地中海やカリブ海、日本海など、陸に囲まれ海水の出入りが少ない海域には、海洋・沿岸地域の環境を守り、資源の管理をする国連環境計画(UNEP)があり、このうち日本海・黄海については、1994年(平成6年)に日本、中国、韓国、ロシアが協力する「北太平洋地域海行動計画(NOWPAP)」が開始されました。日本海難防止協会の富山連絡事務所はこの計画の事務局を担っており、日本海及び黄海の海洋環境保全に協力しています。
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